クライオセラピーは、身体の健康をサポートする注目の療法ですが、正しい方法で行うことが重要です。本記事では、クライオセラピーの施術の流れや服装、体の部位、注意点など、安全かつ効果的に受けるための方法を徹底解説します。
液体窒素を使用したクライオセラピーの施術の流れ
クライオセラピーは、極低温の環境に短時間身体をさらすことで、さまざまな健康をサポートする効果が期待できる療法です。今回は、液体窒素を使用したクライオセラピーの施術の流れを段階別にご説明します。
事前カウンセリング
クライオセラピーを初めて受ける方には、事前にカウンセリングや同意書の記入が行われます。これにより、健康状態の確認や施術に関する説明が行われ、個々のニーズや懸念に対応します。カウンセリング時や同意書記入時に、過去の病歴や冷感過敏症の有無を正直に伝えることが大切です。
施術準備
液体窒素を使用したクライオセラピーの場合は、施術前に、水分を吸収しやすい素材で作られた専用の衣服が提供されます。また、手足の保護のために手袋や靴下を使用します。特に末端部の保護が重要で、冷えによる凍傷などのダメージを防ぎます。
クライオセラピーチャンバーへの入室
準備が整ったら、利用者はクライオセラピーチャンバー(※)に入ります。チャンバー内は極低温(-110°Cから-140°C程度)に設定されています。
※クライオセラピー専用の全身を冷やすための装置を備えた小さな部屋
短時間の冷却セッション
クライオセラピーのセッションは通常2〜3分間続きます。セッション中はチャンバー内で全身を冷却します。初めての方は冷却中に軽い違和感を感じることがありますが、慣れることで快適に感じるようになります。
施術後のリカバリー
セッションが終了したら、チャンバーから出ます。室温に戻ると、寒さで収縮していた血管に元の血流が戻り、体温も上がります。必要に応じて軽いストレッチやリラクゼーションが行われます。
アフターケアとフィードバック
施術後には、再度カウンセリングが行われる場合があります。これにより、利用者の体調や効果の確認が行われ、今後の施術に関するアドバイスが提供されます。アフターケアの内容に従い、次回の施術に向けた準備が行われます。
クライオセラピーの施術方法
クライオセラピーは、近年その効果が注目され、多くのスポーツ選手や美容愛好家が取り入れています。ここでは、クライオセラピーの具体的な施術方法について、初心者にも分かりやすく解説します。施術の流れやポイントを知り、最適な体験を得るための準備を整えましょう。
全身冷却と部分冷却の違い
クライオセラピーは冷却する範囲によって分類されます。
全身冷却(Whole Body Cryotherapy)
全身冷却は、全身冷却は、専用のクライオセラピーチャンバーを使用し、全身を冷却する施術です。極低温の環境に数分間さらされることで全身の血流が抑制され、炎症の軽減に役立つとされています。
部分冷却(Localized Cryotherapy)
部分冷却は、特定の部位に対して冷却を行う方法です。ポータブルなクライオセラピーデバイスを使用して、例えば足や膝、肩などの特定の部位に集中して冷却を施します。局所的な炎症や痛みの軽減、肌のリフレッシュを目指す際に効果的です。スポーツやトレーニング後に、筋肉を氷袋や冷却スプレーなどで冷却することも部分冷却に含まれます。
体の部位ごとの冷却方法
クライオセラピーでは、冷却する部位によって方法が異なります。膝や肘などの関節部位には部分冷却が効果的で、炎症や痛みを軽減します。また、顔の冷却は肌のハリやツヤに役立つとされています。
また、全身冷却は全身の血流の変化による酸素や栄養供給の一時的なサポートや精神的なリフレッシュに適しています。それぞれの部位に最適な方法を選ぶことで、より効果的な結果が得られます。
施術時間と温度設定
クライオセラピーの施術時間は、冷却方法や目的に応じて異なります。全身冷却では、通常2〜3分間、-110°Cから-140°Cの極低温に設定されます。
部分冷却の場合、冷却する部位や症状に応じて数分間の施術が行われ、温度は冷却デバイスにより調整されます。適切な施術時間と温度設定が、効果を引き出す鍵となります。
クライオセラピー施術時の注意点
クライオセラピーは、安全に施術を受けるための注意点がいくつか存在します。
ここでは、クライオセラピーを受ける際に知っておくべき重要なポイントについて解説します。施術前の準備から施術中の注意点、施術後のケアまで、快適で効果的な体験を得るために必要な情報を提供します。
痛みへの対処法
クライオセラピー中は、極低温にさらされるため、初めての方は軽い痛みや不快感を感じることがあります。この場合、リラックスして深呼吸を心がけると、痛みを和らげる効果があります。また、施術者に事前に痛みへの不安を伝えることで、適切なサポートやアドバイスを受けることができます。慣れることで次第に痛みは軽減されますが、異常を感じた場合はすぐに施術を中断することが大切です。不安がある場合、無理をしないことが重要です。
呼吸法と体の動かし方
クライオセラピー中は、リラックスした呼吸を保つことが重要です。浅く速い呼吸ではなく、ゆっくりとした深呼吸を心がけることで、体の緊張を和らげ、冷却の効果を最大化します。また、チャンバー内で軽く体を動かすことで、冷却の効果が均等に行き渡ります。チャンバー内では、ゆっくりと体を回すような軽い運動が推奨されます。呼吸と動作を連動させることで、さらにリラックス効果が高まります。
施術中の監視と管理
クライオセラピーの施術中は、常に専門スタッフが利用者の状態を監視しています。温度や時間が適切に管理されているかを確認し、利用者が安全に施術を受けられるようにサポートします。万が一、異常が発生した場合には、すぐに施術を中止し、適切な対応が取られます。安心して施術を受けるためには、信頼できる施設での施術が重要です。
クライオセラピーで避けるべきこと
クライオセラピーを安全に受けるためには、いくつか避けるべき行動や状況があります。まず、施術前に体調が優れないと感じた場合や、風邪やインフルエンザなどの症状がある場合は施術を避けるべきです。
また、飲酒後や食事直後の施術も控える必要があります。冷感過敏症や血行不良が疑われる方、心臓疾患のある方は、クライオセラピーを受ける前に必ず医師と相談することが推奨されます。さらに、施術中は無理に体を動かしたり、長時間冷却を行うことは避けるべきです。これらの注意点を守ることで、クライオセラピーを安全かつ効果的に体験することができます。
クライオセラピーを安全かつ効果的に受けるために
クライオセラピーは、適切な方法で受けることが重要です。まず、施術前には必ず健康状態を確認し、既往症や冷感過敏症がないかを医師に相談することが重要です。施術中は、リラックスして呼吸を整え、体を軽く動かすことで、冷却効果を均等にします。
また、信頼できる施設で施術を受け、専門スタッフによる監視と管理を受けることで、安全性が確保されます。施術後は、体温の回復をゆっくりと行い、体調をしっかりと整えることも大切です。これらのポイントを守ることで、クライオセラピーをより安全に、そして効果的に受けることが可能です。
新しい技術によるクライオセラピー(クライオバス)のやり方
現在は、液体窒素を使用しないクライオセラピーが登場しています。液体窒素ではなく、電気によって冷却します。冷凍庫と同じ技術を使用しているため、液体窒素よりも設置や移動が簡単なことが特徴です。
浴槽型のクライオバス
クライオバスは、着衣のままで約3分間、首から下の身体全体を最高到達点約-120℃の超低温環境の中に安全に浸すことのできる浴槽です。皮膚表面を最高到達点約-120℃という超低温で一気に冷却し、一時的に血流の流れを抑制します。冷却後、定常温度に戻った際に血流が大きく増幅するため、身体の機能をサポートする効果が期待できます。
着替える必要がなく、管理者による使用に限定されないため、セルフケアで使用することも可能です。
使用方法
金属などが使用されていない衣服で使用します。腕時計やアクセサリーなどの金属類は外します。浴槽に入るように、約3分間、冷却装置の庫内に入ります。頭部は出したままのため、ストレスなく使用が可能です。
足湯型のクライオフット
クライオフットは、下半身を足湯のように冷気に浸し足先の血管に刺激を与える装置です。
使用方法
金属の使用されていない衣服で使用します。金属のアクセサリーなどがある場合は、外します。装置の座席に座り、約3分間、膝から下を庫内の冷気に浸します。
クライオバス施術時の注意点
クライオバスやクライオフットによるクライオセラピーには、以下の点に注意が必要です。
肌に金属が触れないようにする
金属は熱伝導率が高いため、クライオセラピー中に極低温の金属に皮膚が直接触れると、凍傷を引き起こす可能性があります。また、金属は熱を伝えやすいため、金属アクセサリーを身に付けていると、施術時の冷却効果が部分的に妨げられる可能性があります。
体調不良や持病のある人は施術を避ける
心臓病や循環器系の問題を抱える人、体調が優れない人は、クライオセラピーによって低体温症やその他の合併症を引き起こすリスクが高くなります。体調に不安がある場合は、使用を避けましょう。
1回の使用時間を守る
クライオバスの最高到達点は、約-120℃と極低温となっています。長時間の使用は低体温症などの危険性が高まるため、1回の使用は長くても3分程度とする必要があります。
クライオバスやクライオフットは、冷却に電気を使用することで、これまでのクライオセラピーよりもコストパフォーマンスに優れていることが特徴です。また、設置や移動が簡単で、特別な衣服も不要なため、必要な時にすぐ利用できるメリットがあるため、アスリートを中心に活用されています。
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